これから土地を購入する人へ♦♦売買契約を結ぶ前に注意しないといけないポイントを解説します
土地を購入する際は、その土地を所有する売主と売買契約を結ぶことになります。
売買契約では書類の提出から実際に購入費用を支払うまでの一連の流れを行うため、
今後家を建てる上で重要な作業となります。
不動産用語が並ぶ難しい契約ですが、よくチェックしておかないと、購入後に後悔してしまうことになります。
そうならいように、契約時に必要な持ち物から、必ず確認したい契約内容などは事前におさえておいてください。
土地の売買契約とは土地購入の際に書面を介して結ぶ契約
土地を購入する際に交わされるのが売買契約になります。
土地をはじめとする不動産の売買には高額なお金が動く契約になるので、安心して取引ができるように契約書でやり取りされます。
宅地建物取引業法37条でも、不動産会社(宅地建物取引業者)に対し、契約が成立したら遅滞なく「契約内容を記載した書面」を、
宅地建物取引士に記名押印させた上で交渉することが義務でけられています。
契約書でやり取りをしないケースはほぼないですが、万一口頭で重要な契約を行うようなことがあれば、
書面でのやり取りを依頼しましょう。
土地の売買契約書に記載される内容
土地の売買における契約書の書式は、契約を行う不動産会社やハウスメーカーによって異なるもの、内容はほぼ変わらず、
下記のような内容が記載されています。
売買物件の表示 ●土地の所在や面積など正しく記載されているか
売買代金や手付金の額、支払日 ●土地の価格、手付金の額は妥当か、支払期限はいつか
所有権の移転と引き渡し ●所有権移転と引き渡し時期などに無理がないか。引き渡しが遅れる場合は理由が明記される
土地の実測及び土地代金の精算 ●登記簿面積と実際に測って違う場合の売買代金の精算についての取り決め
公租公課(税金)の精算 ●固定資産税などの負担、精算に関するルール
(通常、負担は引き渡し日の前日までは売主、引き渡し日以降は買主とする)
ローン特約 ●住宅ローン審査が通らない場合の契約解除についての取り決めなど
抵当権などの抹消 ●売主は、所有権移転時期までに、抵当権・賃借権などの買主への所有権移転を阻害する一切の負担を
除去・抹消することが規定されています。
付帯設備などの引き渡し ●付帯設備としてどのようなものがあるのか、それらについて故障はあるのかどうかについて確認
手付解除 ●手付金を放棄して解除する際、解約可能なのはいつまでか
引き渡し前の物件の滅失・毀損(きそん) ●取り扱いは明確にされているか
契約違反による解除 ●契約違反による解除に際して違約金の予定額は妥当か、瑕疵担保責任の期間は適切か
契約不適合責任 ●土地が契約の内容に適合しないものである場合の契約解除などの条件や引き渡し後に発覚した場合の取り決め
危険負担 ●地震や台風、火災などで引き渡しができない場合の取り決め
費用の負担 ●契約書に添付する印紙税などの費用について
例えば、
住宅ローン本審査が通らなかった場合の契約解除についてなど、特に要望したい事項があれば「特約」の部分に
記載してもらい、要望が明確に伝わるようにしてもらいましょう。
土地の売買契約の際に必要なもの
土地の売買契約は、重要事項説明が行われ、説明に納得がいけばその場で契約を交わすことで締結されます。
その際、必要な持ち物は、
本人確認書類(運転免許証、パスポートなど顔写真付きでご本人と確認できるもの)
印鑑(住宅ローン申込書を併せて作成する場合、実印が必要)
手付金(基本的に現金で土地購入費用の10%程度)
印紙代(売買代金によって異なりますが、購入代金が1000万円超5000万円以下の場合、印紙税軽減措置適用後1万円)
仲介手数料(不動産会社が仲介する場合、仲介手数料の半額が必要になります。)
土地の売買契約時に確認するポイント
売買代金が間違っていないか、手付金の額も確認!
不利な条件とならないよう解約・解除できる場合の内容を確認!
実測による土地代金精算の場合は、精算方法を確認!
お金
土地の売買代金は契約締結時に買主が手付金を支払い、引き渡し時に残代金を支払う形が一般的になります。
価格が異なっていないか、支払う時期、方法も確認しましょう。
さらに手付金の額もしっかり確認しましょう。
一般的に土地代金の10%が手付金の額の目安になり、不動産会社が仲介する場合、
20%を超える手付金は受け取ってはいけないと決まっています。
手付金の返却条件についても確認しましょう。
証約手付(契約成立を証明する目的で授受される)
解約手付(買主は手付金を放棄、売主は手付金の2倍の金額を買主に支払えば契約を解除できる)
違約手付(どちらかに債務不履行があった場合、手付金が違約金として、損害補償とは別に相手方に没収される)
とそれぞれ意味があります。
大きな額になるので、手付金を放棄しなくてはいけない時期などを確認しましょう。
契約時には手付金以外に印紙税がかかります。その金額も確認しましょう。
土地の面積を実測し登記簿面積よりも小さい場合、引き渡し時に精算するという契約内容になっていたら、
その方法や精算の算定基準についても確認しておきましょう。
解約
途中で契約を解約することになる場合の取り決めも土地の売買契約書に記載されています。
一度契約すると破棄するのが困難なだけに、不測の事態が起きた際の解約、解除についても確認しましょう。
手付金の放棄による解除以外で確認したい契約解除は、
契約不適合責任 売買契約する土地が契約の内容に適合しないものであった場合は、損害賠償、補修請求、
代金減額請求ができ、契約の目的を達成できない場合は解除を請求でき、その後の売主の対応の内容が明記される。
危険負担 台風や大雨による洪水などの水害、地震などが引き渡し前に起きた場合、契約解除、手付金返還などが
明記される。
契約違反 契約書に書かれている事項が守られていない場合、無条件解除ができるなど具体的な内容が売主との双方で
取り決められる。
特約 契約書に入らない特別な事項について書かれたこと。最もよくあげられるものがローン特約になります。
購入する際に住宅ローンが通らなかった場合、無条件で契約を解除できるといったこと。
特約による契約解除の場合は手付金の返還についても確認しておきたいポイントになります。
土地面積
土地の面積が登記上の数字の場合、実測してみると面積が登記上の表示より小さいことがあります。
登記面積と実測面積が違う場合は、その面積の差に応じて、売買代金を精算する契約をすることも望めます。
契約書では土地の実測を行うのか、行った場合、精算はどのように行われるのかを確認しましょう。
一般的に精算は、最初の売買代金と売買面積に基づく1㎡当たりの単価を用いて行われます。
登記面積で土地の売買代金を決めて契約を締結することもあります。
買った後の測量で、実際の土地の面積が登記面積よりも大きくても、買主は売主に対し追加代金は支払わずに済みますが、
実測面積が登記面積より小さくても、売主に代金の減額を請求しないと取り決められることがほとんどになります。
土地の売買契約までにやっておきたいこと
建築会社選定
土地の売買契約までに、並行して建築会社を決めておくのが家をスムーズに建てるポイントになります。
建てる建物や土地にかける費用が決まらないと全体の予算も決まらないからです。
先に建築会社の候補を絞っておき、候補の建築会社におおまかな建物の要望を伝え、諸経費も含めた概算の見積もりを
もらっておくと、土地の買付証明書を提出してから予算オーバーになってしまうことを防ぐことができます。
住宅ローンの事前審査
住宅ローンの事前審査も売買契約前に行っておきたいです。
特に買付証明書の提出から売買契約までは期間が10日ほどと短く、事前審査が終わらないこともあります。
住宅ローンの事前審査が通らなかった場合、再度別の金融機関を探すなどの手間がかかり、
売買契約までスムーズにいかないことがあります。なので候補の土地を見つけたら不動産会社などに相談して
事前審査の手続きをした方がいいです。
土地にかかわる法律、規定のチェック
建てられる建物が決まる用途地域など土地にかかわる制限や法律のチェックは、
仲介してくれる不動産会社やハウスメーカーが代わりに調べてくれますが、調べてもらった内容に目を通しておきましょう。
一部エリアでは良好な景観を保つための「景観法」など景観条例があることもあるので確認しておきましょう。
候補の土地によっては高低差が大きく土留めが必要となったり、水道の引き込みがないので引き込み費用が発生したりするなど、
工事費に大きな差が発生することもあるので売買契約の前の買付証明書提出前に確認しておきましょう。
全体の流れを把握することでムダなくスムーズにお家を建てることができると思います。