損をしない家づくりをするために土地の価格相場を知ろう!!
土地の値段を調べる時は、まず目的を明確にしましょう。
土地の価格は、立地や環境などさまざまな条件から算定されるため、定価をつけることができません。
土地の売買などで取引価格を決める際は、基準となる値段に基づいた査定が行われます。
土地の基準となる価格は、大きく分けて4種類あります。
土地の相場を知るメリット
土地を購入する際、その価格が妥当かどうかを判断することは難しいです。
自分である程度の相場観を養っておけば、より客観的な判断ができます。
損をすることがなくなるだけでなく、エリアの土地相場を知ることで、予算内で希望する広さや条件の土地を
購入することができるのかどうかがわかります。
土地の相場を知れば、他のエリアで探すべきか、地域の相場に合わせて予算の見直しをするべきかを検討することができ、
無理のない購入につながります。
家族4人が暮らす注文住宅を建てるのに、必要な土地の広さは80㎡
国がすすめる住生活基本計画の理想の面積(=誘導居住面積水準)では、
都市郊外等における戸建て住宅を想定した面積水準を
25㎡ ✕ 世帯人数 + 25㎡ としています。
4人家族の場合、上の式にあてはめると
25㎡✕4+25㎡=125㎡になります。
2階建ての延床面積を125㎡として、1階と2階が同じ面積となる直方体の建物とすると
1階の床面積は62.5㎡になります。
隣地との空間を考えると、少なくとも80㎡ほどが必要になる計算です。
同じ広さの土地でも、駐車スペースや建て方、その土地の建ぺい率や容積率によって建てられる家の面積は
変わるので参考の一つにしてください。
土地の特性と流通量が土地の価格を左右する
土地の価格は、基本的に全く同じ条件の土地というのは存在せず、
どれもオンリーワンなため正確な価格を知ることは難しいです。
土地の人気が高まる要因としては、土地の特性があります。
周辺に生活利便施設がおおく便利に生活できる、建物が建てやすい整形地、日当たりが確保でき、
余分な工事費用がかかりにくい高低差がない土地、駅から近い、広い道路に面しているなどの
特性をもつ土地は高くなりやすいです。
道路付けや方角も価格を左右します。
敷地の南側が道路に面する土地(南側道路)ほど日当たりもよく価格は高くなります。
同じ住宅でも2本の道路が交差する角地は開放感があり、日当たりがよければなお人気が高まります。
「住みたい街ランキング」などでランクインしているようなエリアも注目度が高く、
需要があるため価格も高まることが考えられます。
流通量も価格を左右する要素になります。
土地の売却がほとんど行われていないようなエリアでは、明確な土地相場が算出されないことが多いことや、
希少性の高さから高価格で取引されることがあります。
流通量が多く、明確な土地相場を算出することがしやすいエリアでは、周辺相場から飛びぬけた価格にはなりにくいです。
土地価格には4つの異なる価格「一物四価(いちぶつよんか)」が存在する
一物四価(いちぶつよんか)とは、4つの異なる価格を指し、土地の相場や目安を確認する手段に挙げられますが、
それぞれ特徴や注意点があります。
実勢価格
実際に売買する場合の土地の価格です。
過去に売買が成立した際の価格や、近隣の土地の取引価格を参考にして決められることが多いです。
広告に掲載されている価格が実勢価格ではないかと思うかもしれませんが、
あくまで売主側の売却希望価格であり、それが実勢価格であるとは限りません。
また、近隣のエリアでの取引事例が少ない場合や、類似するような土地の取引事例がない場合は、
正確さに欠けることがあります。
公示地価/基準地価
公示地価は地価公示法に基づき国土交通省が毎年3月下旬ごろに公表している土地の価格で
一般の土地取引価格の指標となります。
公示地価や基準地価はすべての土地に対して公表されるものではなく、標準的とされる土地を選び、
1㎡当たりの価格で公表されます。
公示地価と基準地価の標準値が異なっている場合、評価基準は同等と考え、
気になっている土地に近い方の標準地を探せばOKです。
公示価格は、売り手側にも買い手側にも与しない客観的な指標であり、実際に土地の売買を行う際は、
早く売りたい、どうしてもこの土地が欲しいなど、売主と買主の事情があるため、
公示価格と売買価格が異なるケースもあるので注意しましょう。
市場取引でも参考にされる価格のため、公的指標として信頼できますが、あくまでその地点の水準値になります。
実際の土地取引では、さまざまな条件で取引価格が変わるので参考として活用しましょう。
相続税評価額(相続税路線価)
相続税や贈与税の課税額を決めるための基礎となる評価額。
道路ごとに細かく路線価が決められています。
路線価は、その道路に面している土地の評価額を示しており、
路線価図には、1㎡当たりの単価が千円単位で表示されています。
相続税路線価は、公示地価の8割程度の水準とされているため、
『相続税路線価÷0.8』で公示地価レベルの価格が概算でき、土地相場の目安の一つになります。
注意点は、公示価格や相続税路線価は1年に1度公表される価格のため、
実勢価格とはタイムラグがでてしまうこともあります。
都心や人気が高い住宅地などの実勢価格は、これらの算出方法よりも高くなることが多いです。
また、相続税路線価はその道路沿いの標準的な面積、形状の土地の価格を示すものなので、
土地の形や広さ、角地などの立地条件が反映されないケースや、
エリアによっては価格が設定されていない場所もあります。
固定資産税評価額(固定資産税路線価)
固定資産税の税額を決める評価額のこと。
毎年1月1日時点の土地の所有者に送られてくる固定資産税課税明細書で確認できます。
固定資産税課税明細書は所有者しか入手できないため、
土地の価格を知るために固定資産税評価額を利用する事が必要になります。
固定資産税評価額は、道路に面した標準的な宅地の1㎡当たりの土地の評価額を示す指標で、
原則3年ごとに見直されます。土地の価格が下落した場合は修正が行われることもあります。
固定資産税評価額は、公示地価の7割程度の水準とされているため、
『相続税路線価÷0.7』で公示地価レベルの価格が概算でき、土地相場の目安の一つになります。
その他
土地相場の調べ方でもっとも手軽にできるものは、不動産情報サイトの活用になります。
掲載価格は売主の希望価格であるため、実勢価格・時価と開きがある場合もありますが、
おおよそのエリアの土地の価格をつかむことはできます。
国土交通省のサイト「土地総合情報システム」でも、実際の不動産取引価格を調べられます。
「不動産取引価格情報検索」や「地価公示・都道府県地価調査」を見ることもできます。
より詳細な価格、相場を調べたいなら直接不動産会社に調べてもらうこともオススメです。
インターネットサイトなどの活用で相場観を養うことができれば、適正な価格での土地購入につながるはずです。
建物だけでなく予算も家族の家づくりを実現するために覚えておいてほしい一つになります。