新築で家を建てる際に土地のお祓いをしないといけないの?地鎮祭と上棟式!お祓いをする理由と手順についてお話しします。
新築で家を建てる際にお祓いをするというのが当たり前の事とされていますが、
実際にはどのような意味が込められているか知らない人も多いかと思います。
日本人は古来から森羅万象(しんらばんしょう)すべての物に八百万の神が宿る
という風に考えてきました。日本独特の風習です。お祓いもその一つなんです。
今回は、新築を建てる際に土地のお祓いを行うのか、どんな意味が込められているか、
お祓いを行う理由や手順についてご紹介します。
※【森羅万象】とは存在しているありとあらゆる物事や現象という意味。
わかりやすく説明すると、この宇宙に存在する全部ということ!
《どんなことが知りたい❓》
新築を建てる際、なぜお祓いをするの?
地鎮祭は必要な行事なの?
地鎮祭以外にもお祓いの行事がある!
お祓いは近くの神社に問い合わせるのが良い
新築を建てる際、なぜお祓いをするの?
家を建て始める前に行うお祓いの事を”地鎮祭”(じちんさい)と言います。
地鎮祭とは、神職の方を土地に呼んでお祓いしてもらうという方法です。
これまでの歴史の中で、その土地に過去に起こったことを浄化し、
感謝を込めて祈祷します。そうすることにより、土地の神様の祝い鎮め、
建物を建てても良いという許可を得るという意味もあるんだそうです。
新築一戸建てを建てる時には『これから工事が安全かつ無事に行われるように』
『この土地に暮らす人々が安心して過ごせるように』、土地やこれまでに
建てられてきた家に感謝を込めて祈祷します
地鎮祭は必要な行事なの?
地鎮祭は日本において古くから受け継がれてきた儀式ですが、江戸時代の後期頃より、
家族の幸せを願い、庶民の間で普及しはじめたと言われています。
工事が無事に終わり、今後の生活を安心して暮らせるよう願いたい方や、
歴史や伝統を重んじる方は、現在でも地鎮祭を行っているようです。
地鎮祭は、工事を行う施工会社が準備を行います。
なぜなら、地鎮祭には施工会社側が施主に対して「よろしくお願いします」と
あいさつをする意味も込められているからです。
地鎮祭は、必ず行わないといけないという事ではありません。
地鎮祭を行うかどうかは、施主が判断する立場にあります。
コスト面から行わない、忙しくて日程調整が難しいなど、特に気にしない
という理由から地鎮祭を行わない方もいらっしゃいます。
やめたい場合は『地鎮祭はしない』と依頼すればやめてもらうことも可能です。
お祓いに必要な料金は、神社によって異なりますが、一般的に、
神主に式を行ってくれた謝礼として2~3万円、お供え物の費用を合わせると
5万円前後かかる場合があります。
家のお祓いに必要なものは❓
必要なものはお供え物です。
地域や依頼する神社、風習により様々ですが、通常は自宅で準備できるものが
ほとんどです。今回は、一般的なお祓いで使われるものをご紹介します。
お供え物は、神饌(しんせん)または御饌(みけ)と言い、神様に献上するお食事の事です。
★山の幸…季節の果物を3~4種類くらいが目安です。⦅ミカンなど⦆
★海の幸…一般的には鯛を頭と尾が付いたものを用意します。鯛がない場合は
他の魚で代用しても構いません。
★野の幸…トマトやナス、キュウリなどの地上の上に成るものと、大根やサツマイモ、
ニンジンなどなど地中に成るものをそれぞれ旬のものを2~3種類ぐらいずつ用意します。
★お酒…お酒は清酒(日本酒)を1本または2本用意するのが一般的です。
のし紙は『奉献』と書き、のしの下には施主様のお名前を書いて準備しておきます。
★お米、水、塩…お米は洗って一晩乾かしたものを使用します。量については神宮や
地域により違う場合があるので、神宮または施工会社へお問合せておくと良いでしょう。
※『神饌』というお供え物については神社で準備して頂ける場合があります。
詳しくはご依頼する神社にお尋ねするといいでしょう。
地鎮祭以外にもお祓いの行事がある!
地鎮祭以外では、建物の基礎部分が完成した時点で行われる上棟式(じょうとうしき)が
あります。
【上棟式】大工さんたちへの感謝の気持ちとともに、家屋の守護神や工匠の神々を祀り、
これから建てる住宅が幸せな場所になるように、また工事が無事に終わりますように
という願いを込めて行う行事のこと。
次に、上棟式の流れをお話します。
昔は、神主さんを呼んで正式に行うことがほとんどでしたが、現在では、棟梁や現場監督、
工務店の人などが神主の代わりに式を進めることが多いようです。
《上棟式の流れ⦆
棟梁が棟木の上に飾り物を上げる
祭壇に、御幣や神饌物を飾る
施主と棟梁が、家の四隅の柱の部分に、酒や塩、お米などをまいてお清め
工事が無事進むよう祈願し、二礼拍手一礼する
施主が挨拶をしてから乾杯
棟梁や関係者の挨拶
場合によっては、餅や銭、お菓子などをまく
手締めを行う
施主から棟梁や作業してくれた人にご祝儀や引き出物を配る
地域や風習などにもよって内容は変わりますが、だいたいこのような流れになります。
準備しておくこと
➊事前に人数を把握しておく
祝儀やお弁当、お酒、引き出物などを用意するため、当日作業に関わってくれる
人数を把握しておきましょう。
多くは、次のような場合が多いようです。
●今後もお世話になる大工さん ●棟梁が集めてくれた大工さん ●レッカーの運転手さん
●工務店や住宅メーカーの人 などです。
➋式に使う小物を用意する
●棟礼 ●神酒、粗塩、洗米など ●紙コップ ●お餅、お菓子、5円玉など
棟礼とは、棟上げの記念に作るお札です。表には神様の名前を、裏側には上棟年月日や
施主、設計士、施工業者の名前を墨で書きます。一般的には、工務店や住宅メーカーが
用意してくれることが多いです。
神酒、粗塩、洗米などは、上棟式の際に家の四隅の部分に巻いてお清めするための
ものです。紙コップは、神酒や休憩中の飲み物を飲む時用に準備しておきましょう。
お餅、お菓子、5円玉はまくためのものなので、まかない場合は用意しなくても
大丈夫です👌
❸大工さんに振る舞うものを用意する
休憩時間やお昼に食べたり飲んだりするものは、施主が用意します。
飲み物は、お茶やジュースなどがオススメです。夏場などは、冷たく冷やしたお茶や、
栄養ドリンク。冬場なら、温かいお茶などが喜ばれると思います。
お菓子は、個別包装になっているものを選ぶといいでしょう。出来れば甘いものと、
塩味を用意するばベストです
お弁当は、揚げ物や味の濃いもので、選べるように何種類か用意するといいでしょう。
❹大工さんに手渡すものを用意する
上棟式の最後に大工さんや作業に関わってくれた方々へ手渡すものを準備します。
●ご祝儀 ●引き出物
ご祝儀に関しては、棟上げに関わってくれた方々に渡すものです。
大体の相場はこのようになります。
棟梁…1~4万円
大工さん…2000~5000円
現場監督…5000円
クレーンの方…2000~5000円
あくまでも気持ちなので、必ず渡さないといけないと言う事はありません。
最近では、ご祝儀をあげない家庭も多いようなので、無理のない金額をお渡ししましょう。
また、用意をしなくていい場合もあるので、住宅メーカーに一度問い合わせてみると
いいでしょう。
ここで、上棟式でよくある疑問についてお答えしていきましょう!
初めての上棟式はわからないことだらけ
そこで、皆さんが疑問に思うことを、いくつかお答えしていきます
上棟式の日にちはいつ?
上棟式の日にちは、住宅メーカーから指定されることもありますが、
自分で上棟式の日にちを選ぶことができる場合は、建設吉日を選びましょう。
建築吉日とは、家の工事をするのに縁起がいいとされる日のことをいいます。
建築吉日は『十二直』と呼ばれる暦で調べることができます。
詳しい建築吉日を知りたいのであれば、インターネットで建築吉日カレンダーを
検索してみると良いでしょう。
雨が降った上棟式は縁起が悪いので中止になる?
多少の雨が降っても、上棟式を行うことがほとんどです。
よほどの大雨や強風でない限り大丈夫です🙆
また、この日のために重機や大勢の大工さんを押さえているので、
簡単にスケジュールを動かすことは難しいと思っておきましょう。
雨が降っているのに上棟式を行うのは、なんとなく縁起が悪いように思って
しまいがちですが、むしろ縁起が良いとすら言われているんです。
幸せや福が「降り込む」、「永遠の火消し」と言って、火事にならないとも
言われているそうです。
ご祝儀を渡さなくてもいいの?
ご祝儀はあくまでも施主の気持ちです。渡さなかったとしても大工さんが
ご祝儀があった家と作業の差をつけるという事はありません。
上棟式で、施主が集めた大工さんたちを労うことは、棟梁の顔をたてることになります。
そして、なにより喜ばれることでしょう。
そんな感謝の気持ちを込めてご祝儀を渡せば、良い思い出になるのではないでしょうか。
餅まきに使うお餅はどんなお餅?費用は?
上棟式に使うお餅は、紅白の餅やひし形の餅、丸い餅などが使われるようです。
費用的には、15000円~20000円程度かかるのが相場です。
現在は、餅だけでなく、お菓子、5円玉や50円玉に赤い紐を結んだり、
おひねりのように包んだものなどが使われています。
上棟式の費用はいくらくらいかかるのが相場?
平均相場として全体で10万円前後から、高くて30万円かかるようです。
内訳として、小物、お弁当や飲み物代、お菓子などの差し入れ、ご祝儀等が
挙げられます。どれくらいのグレードにするかによって金額も変わってくるので、
無理のない程度のものを選びましょう。
棟上げや上棟式は、あなたの家にとって、とても大切な日です。
自分たちが一生住む家が出来上がっていくことを実感できる良い機会なので、
楽しんだ方がいいですよね
大工さんと距離を縮めることで、色んなことが質問出来たり、家に対する思入れが
強くなったりもしますよ!
ここまで、お祓いについてお話してきましたが、”なかなか神社でお祓いを依頼するのも
少しハードルが高いなぁ~”と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
”でも、何もしないのも不安だなぁ”と思われる方は『盛り塩』はどうでしょうか?
盛り塩も賛否両論あると思いますが、古来よりお祓いやお浄めで使用されてきた塩には
浄化の力があるといわれています。
盛り塩のポイント
★天然の粗塩を使う
★自然素材で作られた小皿や半紙などに盛る
★部屋の中心から四隅に置く
と、言われていますが、これもきちんと神社でご相談された方がいいと思います。
お祓いは近くの神社に問い合わせるのが良い
新築を建てる際に、これから行う工事が無事に完了することや、今後よりよい生活が
送れるように祈願したい方は、ご自身でお近くの神社に問い合わせてみはどうでしょうか。
現在では、必ず地鎮祭等を行わなければならないというわけではないので、やるやらないは
自由なんです!
今回は、新築のお祓いにまつわる地鎮祭と上棟式についてお話してきました。儀式を行うことは、
棟梁や大工さんの労をねぎらう意味合いが強く、コミュニケーションを育むきっかけにもなります。
皆さんんも地鎮祭や上棟式の実施を検討してみてはいかがでしょうか