注文住宅をはじめ、住宅を購入する際に頭金や手付金という言葉を目にします。

どちらも現金で用意する費用で、契約を進める過程で出てきます。

頭金や手付金の意味と違い、相場などを知っておくとスムーズに家づくりができます。

 

土地の購入契約から新居への入居までに支払う費用を初期費用といいます

注文住宅購入の「初期費用(イニシャルコスト)」は、土地の購入契約から完成した家の入居までに現金で支払う費用を指します。

これに対し「ランニングコスト」は、住宅ローン返済や固定資産税など、入居後に定期的に支払う費用を指します。

 

初期費用には、「購入代金の一部」と「購入諸費用」の2種類があります。

購入代金の一部とは、購入代金のうち現金で支払う分(購入代金から住宅ローン借入額を除いた額)です。

購入諸費用は、印紙税・登記費用・土地購入の仲介手数料・住宅ローン借入費用などです。

土地を買って家を建てる場合の初期費用は、「土地代金+建築費」の10%~12%程度かかります。(土地や住宅の条件によって異なります。)

購入諸費用分まで借りられる住宅ローンもあり、少額の初期費用で購入できる場合もあります。

 

購入代金のうち現金で支払う分のことを頭金といいます

頭金=購入代金のうち現金で支払う分=購入代金-住宅ローン借入額

頭金の目安は購入代金の10%~20%程度と言われています。

住宅購入価格が3000万円の場合、300万円~600万円ほどを頭金として用意されています。

借りる人の年収などの条件によっては、頭金ゼロでも借入可能な住宅ローンもあります。

頭金が少ないと、その分住宅ローン借入が増え、毎月の返済額の負担が重くなることもありますが、

現在は住宅ローンの金利が低く、住宅ローン控除のメリットもあるため、頭金を少なくして手元に生活資金を確保する人もいます。

頭金ゼロの注意点!

・借入金が増えて利息負担が増える

・諸費用分は現金が必要になる

手付金と諸費用を現金で支払うことを考えると、住宅価格の12%~20%程度は現金を用意しなければならないです。

手元の貯金がそれだけあれば足りるのかというと、そういうわけにもいかないです。

住宅を購入するということは、新居への引越し代、家具や家電の購入など、お金が要ります。

頭金や住宅ローンの計画は、子供の教育費や万が一の病気などの急な出費、老後の生活など将来も考えて立てましょう。

 

契約時に現金で支払う分のことを手付金といいます

土地や家など不動産の契約時に、契約が成立した証拠として現金で支払うお金のことです。

契約後一定期間中に買主の都合でキャンセルする場合は、手付金放棄となり手付金は戻ってこないので注意しましょう。(手付流し)

売主からのキャンセルの場合は、売主から買主に手付金の2倍の金額が支払われます。(手付金倍返し)

手付金の金額は土地購入代金の5%~10%が目安となります。(売主と買主の合意によって決まるため、目安と異なることもあります。)

フルローンを予定している人も、手付金分の現金は用意しなければなりません。

手付金は、物件が引き渡されたときには購入代金の一部に充当されます。

手付金は代金の一部として契約時に支払うため、手付金の金額を頭金と同じにし、

残金=住宅ローン借入額にして引き渡し時に支払うケースが多いです。

 

手元資金は生活費の6ヶ月~1年くらい残して置くように

住宅ローンを返済しながら、毎日の生活は続きます。万が一のことなども考え、手元にある程度のお金を用意しておくことが

快適な暮らしの実現につながります。住宅購入後の生活費や不意の出費に備えるための予備費として、

最低限生活費の6ヶ月~1年ほどを残しておきたいです。

ファイナンシャルプランナーに相談すれば、今後の収入の推移や、現在共働きでも出産予定がある場合の一時的な収入減や

子供の進学にかかる教育費用などから、毎月の返済と生活を両立させるマネープランのアドバイスがもらえます。

ローン返済に追われる生活をしないためにも、余裕を持った資金計画を心がけましょう。

 

両親から贈与!両親から借入!して頭金をつくる

頭金の捻出方法としては、保険の見直し、貯める期間を決めた計画的な節約、貯蓄計画など家庭でできることはさまざまありますが、

両親からの贈与という点も考えておいてください。

通常お金の贈与を受けると贈与税という税金が発生しますが、住宅購入資金の場合、一定額までの贈与が非課税になる制度があります。

贈与ではなく親から借り入れるという方法もあります。

通常金融機関などでお金を借り入れる際に設定される、借り入れ条件や返済期間などが、話し合うことである程度自由に決められたり、

担保が必要なかったりします。

親から借りることになっても、口頭でのやり取りで済ますのは避けましょう。

なぜなら、本当に借り入れているのかを証明できないと贈与とみなされて課税対象になってしまうことがあるからです。

必ず借用書を作成し、返却計画、金利設定などを行い、銀行振り込みを利用するなど返済している証拠を残して置きましょう。

借用書を作成する場合は、専門的な目線で判断してもらったほうがいいので税務署に相談するといいでしょう。

 

頭金ゼロでも住宅ローンは組めますが、諸費用は現金が必要になります。貯金ゼロでは家は買えないということを覚えておきましょう。

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